オルソケラトロジーとは、特殊なコンタクトレンズを装着しながら睡眠をとることで一時的な視力回復をはかる近視治療法です。お子様は慎重適応になりますが視力低下が気になる人にもおすすめです。
このページでは、オルソケラトロジーの効果や、メリット・デメリット、注意点、レンズの特徴などを解説しています。
目次
【東京・池袋】オルソケラトロジーの治療・費用・メリット・デメリット
オルソケラトロジーとは?
オルソケラトロジー治療とは、夜間就寝前に治療用レンズを装用して、角膜の変化をうながし 朝起きた際に裸眼視力の向上を見込む治療です。適正におこなわれた場合 日中は他の方と同じ様に裸眼で生活ができるようになります。
オルソケラトロジー治療には学童期の近視進行抑制効果も期待されます。2000年代の研究でも約30~50%の症例において眼軸長伸長抑制を認めたことが報告されています。
オルソケラトロジー治療の流れ
ご予約
松原クリニックにお電話もしくはフォームにてご予約下さい。
検査
眼の検査を受けて頂きます。(所要時間:約1時間30分)
問題が無ければテストレンズを装用します。
問診/病歴
オートレフの検査(角膜曲率及び屈折検査)
裸眼視力測定(眼鏡、コンタクトレンズをお持ちの方は持参するとよい)
角膜形状解析検査(トポグラフィー)及び特種検査
スリットランプ検査(細隙灯顕微鏡検査)(水晶体や硝子体、網膜、視神経など観察)
眼圧検査
角膜内皮細胞検査
レンズ注文
検査の結果、使用可能となった場合、患者様にフィットしたオルソケラトロジーレンズを処方し、レンズを注文します。
受け取り
一人ひとりの目に合ったレンズを作成には、大体2週間程度かかり、後で受け取りにお越し頂きます。
装着開始
オルソレンズの準備が出来次第、装着開始します。
検査
オルソ開始後、眼科医の指示による定期的な検査を受けます。(1週間、1か月、3か月ごと)
※眼に疾患等がある場合には治療を始め、完治してから始めます。
手術をしない視力矯正治療オルソケラトロジーについて
まず近視の仕組みとして、眼から入った光が網膜の手前の点に集まってしまいピントが上手く合わずにぼやけて見えてしまう「屈折異常」の現象を指します。つまり、眼から入った光が網膜にぴったりと合うように屈折力を変えることが出来れば、近視は無くなる・・・ということになります。
通常のコンタクトレンズは装着している間、光を屈折させることで物がよりハッキリと見えるようになる視力矯正器具ですが、オルソケラトロジーで使用するオルソケラトロジーレンズは、眠っている間に角膜をしっかりと固定して正常な形に整えこの屈折異常を治すことを目的に角膜を矯正するための新しい治療器具です。 屈折異常を起こした眼球に対しオルソケラトロジーレンズを装着し、角膜を扁平化させ、ズレている焦点を正常な屈折にします。就寝前に装用して朝はずす。角膜が強制され日中は回復した視力で過ごせます。
オルソケラトロジーの治療費用
オルソ初診料(費用) | 1,000円前後 | |
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オルソレンズ代(費用) | 片眼 | 90,750円(税込) |
両眼 | 181,500円(税込) |
※3か月を過ぎると検診代、点眼薬代は自費になります。(保険診療にはなりません)
3か月以後の検診料(費用) | 1回 | 2,200円 |
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点眼薬代(費用) | 1ヶ月分 | 2,000円前後 |
保証内容
3か月以内に破損、汚れ等1回のみ無料にて交換致します。但し、お手持ちのレンズとの交換になりますので、受け取り時にお持ち下さい。破損、汚れレンズを無くされた場合は、紛失扱いになり有料になります。
※紛失の場合は、保証対象外(有料)になります。
※保証期間後、紛失のオルソレンズ再購入費用は1枚35,000~60,000円になります。
※再購入の際、検査等お受けになる場合は検診料2,200円、別途掛かります。
※表示価格は特に断りがない限り税込です。
オルソケラトロジーの永続的効果
人によってオルソケラトロジーで得ることができる視力回復効果には差があります。小さいお子様や若い方はオルソケラトロジーを受けた結果、視力が回復して何日か経ってもよい視力を保つことが出来る方もいらっしゃるようですが、基本的にはオルソケラトロジーの効果は、一時的なものであるとお考えください。
[オルソケラトロジーの施術について]
オルソケラトロジーの、取り扱い施設は年々増加しており、多くの方々に視力の改善をご提供しております。しかし、施術を考えた場合の眼科医選びは慎重に行った方が良いでしょう。オルソケラトロジー治療で使用するコンタクトレンズは、就寝中に装用する特殊なタイプのものなので、通常のコンタクトレンズ処方とは大きく異なります。 また不適切なコンタクトレンズを選択してしまうと、効果がでなかったり、感染症などの重篤な副作用を引き起こす事も考えられます。当院は、日本にオルソケラトロジー治療が導入された初期からこの治療に取り組んでおり、医師、スタッフ共に日々技術を高めています。医師の実績の他、適正検査・治療の方針の説明をきちんと行ってくれて、信頼出来る施設かも大事なポイント。 オルソケラトロジーの眼科治療なら、東京 池袋 眼科・松原クリニックへご相談ください。
オルソケラトロジーのメリット
7歳~60歳くらいまでの幅広い年齢層の方が着用可能
小学生から定年退職されるぐらいの年齢の方まで幅広く愛用されているところは魅力的です。レーシックと違って年齢による制限は殆どありません。
通常のハードコンタクトレンズと扱いが同じで、
リスクは同程度
オルソケラトロジーの扱いは、普通のハードコンタクトレンズと同じです。市販のケア用品で十分なため、特別な準備は必要ありません。眼に対するリスクも低いと言われています。
手術ではないので、治療を止めれば
角膜の形を元に戻すことができる
オルソケラトロジーは角膜の形状を変えるだけなので、手術の必要はありません。角膜を削ることもないので、治療を中止すれば自然に角膜の形状は元に戻ってゆきます。つまり可逆性があります。もし治療の途中で「自分に合わない」と思ったら装用を中止すればよいのです。
メガネ・コンタクトなしで裸眼で過ごせる
裸眼で生活できるので 視界を気にせずスポーツを楽むことができます。
オルソケラトロジーのデメリット
定期的なレンズの着用と、
医師の定期検診を受ける必要がある
ICL手術であれば一度手術さえすればその後は良好な視力を得られることが多いですが、オルソケラトロジーはあくまで一時的に角膜の形を変えるだけなので、定期的なレンズの装用を止めれば視力は元に戻ってしまいます。また、眼に異常がないかどうか定期的に医師の診察を受ける必要があり、継続的な着脱と適切なケアが必要という点においては、デメリットと言えるでしょう。
オルソケラトロジーは角膜の形状を変えるものなので、角膜の柔軟性は治療において非常に大きな影響を与えますが、この角膜の柔軟性は人により差があります。そしてこの角膜の柔軟性は現代の医療機器を用いても判断するのは難しく、結局のところ、熟練した眼科医でも実際に治療を開始してみるまでその効果はわからないのです。
ゆえに、中程度の近視であっても治療の効果があらわれない場合や、逆に強度の近視でも良好な効果があらわれる場合もあります。中程度までの近視である場合、ほとんどの患者様がオルソケラトロジーで良好な効果を得ていますが、「角膜の柔軟性」といった不確定要素があることも覚えておきましょう。
強度の近視・乱視の方には使用できない場合がある
オルソケラトロジーによる視力矯正には限界があり、強度の近視や乱視の方には医師から使用許可がおりないことがあるようです。つまり、だれでもオルソケラトロジーを使えるとは限りません。メガネであればどのような方も使用可能ですが、「使用に制限がかかる」ということは一種のデメリットと言えます。
装用開始初期は視力が安定しにくい
装用開始直後は視力が安定しにくいため、日によって良く見えたり見えなかったりということがあります。これは安定期になるまで装用を続けるしか対応策がありません。
コンタクトレンズなので『充血』『涙目』『炎症』
といった異常が起きることがある
オルソケラトロジーもやはりコンタクトレンズです。コンタクトレンズとしてのデメリットは当然あります。コンタクトレンズは瞳に直接接触するものなので、ある程度のリスクはあります。もし眼に痛みなどの異常を感じたらすぐに装用を中止して、医師の診察を受けてください。
小学生くらいのお子様がオルソケラトロジーを使う場合はこの点に十分注意して、保護者の方がきちんと監督する必要があると言えるでしょう。
オルソケラトロジー用レンズの特徴
オルソケラトロジー用レンズであるオルソケラトロジーレンズは、中央部を扁平にしています。このレンズをつけると角膜の表面が圧力で周辺部に引っ張られてゆくために角膜の中心部も扁平になり、光の屈折率が変わることで視力が回復します。レンズを作成するメーカーによってデザインは多少変わってきますが、この仕組み自体は共通しています。 角膜は柔軟性があり、新陳代謝が活発な組織なので形状も変わりやすく、レンズを長い時間装用していると「クセ」がつくことでレンズを外してもその形状が維持されるため、このような治療が可能となります。
オルソの持続効果は装着する期間が長いほど、持続力が次第に延長する傾向になります。一般的に、初めて装着した方は、翌日の昼くらいまで効果が持続するといわれています。個人差はありますが、5日程度で日中は完璧に裸眼で生活できる方もいらっしゃいます。
※睡眠時間や近視の強さによっても異なります。
オルソケラトロジーの注意点
ハードコンタクトレンズよりやや大きいためつけはずしの練習が必要です
はじめはゴロゴロ感がありますが、徐々に減ってきて慣れてきます。
オルソケラトロジーで使うレンズは、ある程度の着用の目安時間というものがあります
例えば、一日6時間程度を目安に寝ている間に着用することが前提で作られたレンズの場合、あまり長い時間レンズを着用したまま寝てしまいますと、場合によっては少し遠視の状態になってしまうこともあります。基本的にはレンズはオーダーメイドで作られているものですので、平らな状態になる形は一定のものになるはずなのですが、あまりにも長時間つけすぎてしまうことは非常にやわらかい角膜に必要以上に強い癖付けをしてしまうことがありますので、ご注意下さい。
逆に睡眠時間が6時間以下の場合、 矯正がうまくいかず、長時間にわたって効果を持続することが難しい場合もあります
就寝時間が不規則なお仕事をされている方や、まとまった睡眠時間を確保することが難しい方は事前にご相談ください。
人によってはオルソケラトロジーによる治療が適していらっしゃらない方もいます
具体的な例として、「強度の近視、乱視の方」「高度のドライアイの方」「角膜、水晶体、網膜に病気のある方」「医師の指導を守った適切な使用ができない方」「円錐角膜などの医師が不適切と判断した場合」 等になります。
子供の近視矯正法として
子供の近視矯正方法としてオルソケラトロジーは非常に有効と考えられています。 子供の場合は体の水分が多いために角膜が柔らかく、コンタクトレンズによる形づけがしやすいことが挙げられます。この角膜の柔軟性ゆえに、大人の患者よりもレンズをはずした後に長い間良好な視力を得られるケースが多くなっています。 オルソケラトロジーによる近視矯正にも限界があり、強度の近視の人が完全に視力を取り戻すのは難しくなっています。この「強度の近視」の人は近視の進行が最終段階になってしまった25歳以上の人に多く、その段階に達する前段階である子供の場合はオルソケラトロジーで視力を取り戻せる可能性が高くなります。そういった意味でも子供の近視矯正法としてオルソケラトロジーを薦める医師が多くなっています。
オルソケラトロジーは定期的な検診が必要になる治療です
一度病院に行って、レンズを処方してもらえばそれで終わりというわけではありません。オルソケラトロジーは今のところ保険適応外の自由診療となっておりますので、基本的にオルソケラトロジーで使用する特殊な「高酸素通過性コンタクトレンズ」は、使用後は、病院に返却しなければならないことになっています。 つまり、レンズを購入するというよりは、オーダーメイドでレンタル用のレンズを作ってもらうという形に近いのです。もちろん、オルソケラトロジーを続けるのであれば、オルソケラトロジーのレンズの寿命が来るまで、レンズをご自分で管理してお使い頂くことができるようになっています。
就寝は仰向けで
オルソケラトロジーは基本的に、夜眠っている間に専用コンタクトレンズを装用するものです。眠っている間に、専用コンタクトレンズが瞳の中心に位置していれば問題ありませんが、場合によっては専用コンタクトレンズが瞳の中心からずれて効果が半減することもあります。 原因として、うつ伏せで眠っている人に起きやすい症状です。うつ伏せで眠っている人は、圧力がまぶたの上にかかるような姿勢になってしまうことがあり、そのためオルソケラトロジー専用コンタクトレンズの位置も動いてしまうのです。もしも普段うつ伏せで眠っているのであれば、オルソケラトロジーの治療を受ける間だけは、姿勢を治してあお向けで眠ることをおすすめします。
【東京・池袋】オルソケラトロジーの治療・費用・メリット・デメリットの治療に関するよくある質問
オルソケラトロジーはどんな人に必要ですか?
近視進行中のお子様やスポーツをされている方、職業上または資格取得のために裸眼視力が必要な方、普段コンタクト等で不便を感じている方等。
治療効果はどのくらいであらわれますか?
近視もしくは乱視度数の強さによって個人差はありますが、若年者で裸眼視力が0.3程度の方であれば、テスト装着時間中に1.5くらいまで視力回復することもあります。しかし、効果の持続を考えると一般的には、1週間ほど装着し続けなければ安定した視力は得られません。数ヶ月にわたって治療を続けていると、2日に1回程度の装着で、良好な視力を維持することができる場合もあります。
通院期間はどのくらいですか?
処方後の状態により医師が指示し、定期検査を受けてもらいます。
年齢制限は有りますか?
年齢制限は特にございません。8歳~60歳ぐらいの方が対象年齢となっております。一般的には低年齢ほど矯正効果が高いといわれています。
失明やその他危険性はありませんか?
医師の指示に従って頂ければ、まず問題は起きません。
レンズの扱いが難しいのでは?
多少注意を要しますが、基本的な扱いは通常のハードコンタクトレンズと変わりません。
注意しなければならない事はなんですか?
人間の角膜の厚みには限界があるため、レンズによって角膜の形状を変えるのにも限界があります。また、同じく角膜の柔軟性にも限界があるために、これらの要素がからみあって「強度近視の矯正は難しい」というのが眼科医の間では定説となっています。
一般的には屈折力「-7D」くらいが矯正の限界だと思ってください。ただし、絶対に矯正が不可能であるとは言い切れず、強度近視の人でも裸眼で好視力を得られたケースもあります。これは角膜の厚みや柔軟性が個人ごとに異なるからです。
昼間は裸眼で大丈夫ですか?
オルソケラトロジーは夜寝ている間に装着することも可能なコンタクトレンズですので、昼間は裸眼でも大丈夫です。就寝時にレンズを着用すれば昼間はメガネもコンタクトレンズもつける必要はありません。「目薬を定期的にさす」といったケアも必要ありません。
オルソケラトロジーはレンズの圧力によって角膜の形を変えるので、「まぶたを閉じる状態」つまり就寝時にこそ最大限の効果が発揮されるため、就寝時の着用を薦める医師が多くなっています。これには就寝時には眼にゴミや異物が入る可能性が少ないので安全性が高まるということも関係しています。
昼間の装用もOKですか?
オルソケラトロジーは原則として夜眠っている間に専用のコンタクトレンズを装用する治療方法のため、夜眠っている間しか専用のコンタクトレンズを装用してはいけない、と考える人も多いようですが、普通のコンタクトレンズと同じように装用して構いません。
もちろん、起床後にオルソケラトロジー専用のコンタクトレンズを装用して、帰宅してからはずすという方法も可能です。レンズをはずした後は、夜眠っている間に専用のコンタクトレンズを装用した後と同じように、視力回復ができているはずです。
昼間に使用する通常のコンタクトレンズと比較してどのようなリスクがありますか?
角膜、結膜等眼の組織に対する障害を起こすリスクに関しては、高酸素透過性ハードコンタクトレンズを通常使用される場合より低いリスクであると考えられます。見え方に関しては、就寝時のレンズ装着状況(枕に押されて少しズレていたり、非常に稀ですが就寝時にレンズが外れてしまっている事もあります)によっては翌日よく見えないという事も起こり得ますので、眼鏡、コンタクトレンズと比較してやや高いリスクがあると考えられます。
裸眼の持続期間はどれくらいですか?
オルソの矯正効果には個人差があり、睡眠時間や近視の強さによって異なります。角膜はとてもやわらかく、デリケートな組織ですので、時間が経つと矯正が徐々に直ってしまいます。 オルソケラトロジーの持続期間とは、この角膜が矯正されている期間を指します。一般的に装着する期間が長いほど、持続力も徐々に延長する傾向にあります。
効果があるのは近視だけですか?
矯正効果の中心はやはり近視ですが、弱度の乱視なら十分に矯正効果が期待できます。しかし、残念ながら遠視には効果がありません。
オルソケラトロジーで効果がでない場合もあるのですか?
治療を続けても、ごくまれに期待までの効果がでない場合もあります。また、角膜がうまく矯正されない場合は、治療を中止しますが、目はすぐに元の状態に戻りますので安心です。
寿命はどの程度ですか?
おおよその寿命は3年前後といわれています。
オルソケラトロジーは子供にとって危険ではないですか?
リスクについては、普通のコンタクトレンズと大きな差はありません。レンズを清潔に保っていなければ、角膜感染症などにかかるリスクはあります。
オルソケラトロジーは強度近視で使うことができますか?
オルソケラトロジーは強度近視の人には適していません。近視・乱視が比較的軽度な場合に用いられる治療法であり、近視度数は-4.00Dまで、乱視度数は-1.50D以下を原則としていますが角膜の柔らかさ等、個人差もありますので検査を受けられてみてください。
オルソケラトロジ ーは途中でやめることはできますか?
レーシックと違い、オルソケラトロジーは途中でやめることができます。通常は2週間〜1ヵ月程度で、角膜は治療前の状態に戻ります。
オルソケラトロジーは医療費控除が適用できますか?
はい、オルソケラトロジーは医療費控除の対象となります。